部屋干しの臭いを抑えるにはコツがある!上手な洗濯物の干し方講座
雨や風の日は外で洗濯物が干せませんが、部屋干しをするとどうしても臭いが気になるというご家庭も少なくありません。
どうすれば嫌な臭いを気にすることなく部屋干しができるのか、洗濯や干し方のコツをご紹介します。
部屋干し最強説!?外干しより嬉しいメリット
天候による影響がない
お日様に当てて洗濯物を乾かすのは気持ちが良いですが、曇天の日は乾きにくかったり、雨や風が強いと外干しができなくなってしまいます。
近年は異常気象も多くみられ、豪雨や台風などによって昔よりも外干しが行いにくくなっているのも現状です。
この点、部屋干しなら天候に左右されることなく、毎日いつでもお洗濯をすることができます。
部屋干しのコツをつかんで慣れてさえしまえば、外干しをするよりも快適に洗濯できるので便利です。
ホコリ、花粉などが付着しづらい
外干しをしているデメリットは、どう頑張っても体に有害な物質が洗濯物に付着してしまうという事です。
チリやホコリ、排気ガスに加え、春や秋には花粉も付着するので、アレルギーの原因物質が体内に入りやすくなってしまいます。
また、PM2.5や黄砂といった粒子状の物質も洋服の繊維に入り込んでしまうため、体調不良の原因になってしまう恐れがあります。
せっかく綺麗に洗い上げても、外干しの最中に汚れてしまう事を考えると、部屋干しの方が健康面には安全です。
直射日光による変色がない
洋服の繊維は直射日光に当たることで、日焼けをして黄ばみや色褪せが生じてしまう恐れがあります。
また、紫外線そのものが生地へダメージを与えてしまい、繊維が脆くなって消費を早めてしまうのです。
確かに紫外線には殺菌作用があるという利点があるものの、洗濯王子として知られる中村祐一氏は「デメリットの方が多い」という見解を示されています。
プライバシーが守られ防犯にもなる
洗濯物はその家に住む家族を表す1つの情報であり、空き巣などの犯罪者にとっては下見のチェックポイントになっています。
外干しの洗濯物から家族構成や人数が把握できるほか、干してある時間によって生活パターンまで把握することが可能です。
しかも、外干しをしたまま仕事や買い物に出かけるお家は、洗濯物が侵入時の目隠しの役割を果たしてしまい、泥棒をしやすくしてしまいます。
さらに女性であれば下着の盗難の恐れがあるうえ、一人暮らしと分かってしまえば、宅配便などを装った性犯罪にも繋がるリスクがあるのです。
防犯の観点からも洗濯物は部屋干しを行い、犯罪者に狙われにくい環境を作りましょう。
なぜ部屋干しで嫌な臭いが発生するの?2つの原因を解説
①雑菌が繁殖したから
部屋干しは乾燥工程のコツがあり、それを知らないと外干しに比べて乾くまでに時間がかかってしまいます。
濡れた状態が長く続くほど、衣類に付着している雑菌が繁殖しやすくなりますが、その雑菌が生じさせる臭いが部屋干し時に起こりやすい生乾き臭の原因なのです。
外干しをしている場合、もし雑菌が繁殖しても紫外線による殺菌作用がありますが、部屋干しにはその効果がありません。
そのため、部屋干しをしたい方は乾燥方法のコツをしっかり理解してから、チャレンジするようにしましょう。
②洗濯物に汚れが残っているから
洗濯物をしっかり洗ったつもりでも、洗剤の量が十分でなかったり、洗濯物を詰め込み過ぎてしまうと、十分に汚れが落とせません。
繊維に残った汚れは雑菌のエサとなり、繁殖を助けてしまうので、より嫌な臭いを起こりやすくしてしまうのです。
しかも、臭ったからと安易に洗い直しをすると、雑菌が層のように積み重なってより臭いが落ちにくくなってしまいます。
部屋干しを快適に行う7つのコツを伝授!
除菌・殺菌力の高い洗剤を使用する
部屋干しで起こるニオイは雑菌の繁殖によるものですので、洗濯の段階でその菌の数を減らしてしまう作戦です。
最近は部屋干し専用の洗剤が売られており、普通の洗剤よりも除菌力が優れているので、使ってみると良いでしょう。
また、洗濯の際に酸素系漂白剤を併用することで、より除菌力が高まり、臭い予防につながります。
酸素系漂白剤は液体よりも粉末の方が威力が強いですが、ボタンやファスナーがついている洋服には使えないので注意しましょう。
ナチュラルクリーニングにこだわる方は、汚れ落ちや消臭力を発揮する重曹を粉石鹸に併用するのもおすすめです。
洗濯物は7分目を目安に
洗濯機の中に洗濯物を詰めすぎてしまうと、十分に水流が回らず、汚れが残ってしまう恐れがあります。
衣類の汚れは雑菌のエサになってしまいますので、内容量は洗濯槽の7分目を目安に余裕をもって洗いましょう。
また、汚れたままの洋服やタオルを長く放置しておくと、その間にも雑菌が増えてしまうので、その日の洗濯物はその日のうちに洗うのが鉄則です。
すすぎにお風呂の残り湯は使わない
お風呂の残り湯を洗濯物に再利用するご家庭も多いですが、お湯の中には目に見えない皮脂や汚れ、雑菌がたくさん含まれています。
部屋干しをする時は残り湯は洗濯時のみとし、すすぎへの再利用は行わないようにしてください。
また、残り湯を洗濯に使用する場合は雑菌の量が増えてしまうので、酸素系漂白剤との併用がオススメです。
干す時は洗濯物同士の隙間をあける
部屋干しをする際は、できるだけ短い時間で洗濯物を乾かすことが、臭いを防ぐコツになります。
そのため、干す時には洗濯物同士の間に拳1個分以上のスペースを空け、空気の通り道を作りましょう。
干せるスペースが少ないご家庭では、洗濯機の容量ではなく、干すスペースのサイズに合わせて洗濯量を調整すると失敗しません。
部屋干しする場所の空気を動かす
室内の空気がよどんでいると、水分を含んだ空気が流れず湿度が高まるので、洗濯物が乾きにくくなります。
濡れた時間が長いと雑菌が繁殖しやすくなることから、お部屋の空気が循環するよう工夫することが大切です。
エアコンを稼働している時間はそれだけでも構いませんが、エアコンを使っていない季節は扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。
また、空気清浄機を使っているご家庭の場合は、風量を強くして使う形でも構いません。
洗濯物に直接風を当てれば、水分の蒸発を促してくれるので、少々厚手の洋服も臭い発生を防げます。
湿度が高い時期は除湿機を使う
梅雨~夏の時期や雨が続く日は、室内の湿度が高くなっているので、洗濯物の水分が蒸発しづらくなっています。
洗濯物が乾きづらいと感じたら除湿器やエアコンの除湿機能を使い、空気中の水分を取り除きながら乾かすことが大切です。
除湿器を持っていない、買うお金がないという場合は、少し除湿効果は下がりますが、丸めた新聞紙を部屋干ししている場所の下に置いておくのも良いでしょう。
また、室内の水分量が高まりすぎないようこまめに部屋の換気を行って、空気を入れ替えるのもオススメです。
洗濯槽のお手入れを定期的に行う
目に見えない洗濯槽の裏側には皮脂や泥土、石鹸カス、ホコリ、水垢、カビなどで思っている以上に汚れているものです。
汚れた洗濯槽のまま洗濯を続けてしまうと、雑菌を増やす原因になってしまいますので、こまめに洗濯槽のクリーニングを行ってください。
お手入れの時間はかかりますが、市販の洗濯槽クリーナーで月1回ほど定期的に洗浄すれば日常のお手入れはOKです。
年に1回は業者などのクリーニングを入れ、細部までしっかりメンテナンスをしてもらえば、より安心して部屋干しが行えます。
臭いのついた洗濯物はどうすれば良い?
まだ濡れているなら乾燥機へ
洗濯物が濡れている状態ですでに臭いが気になった場合は、乾燥機を10分ほどまわして殺菌してみましょう。
温度が選択できる場合は、おうちクリーニングコース・おしゃれ着洗いコースなどに使われる低温の設定でも十分です。
乾燥機を使用する場合、乾いた状態では効果が下がってしまうので、必ず洗濯物が濡れたままで実施してください。
乾いた洗濯物は熱湯で消毒を
すでに乾いている洗濯物から臭いが発生している場合は、洗い直しはせずに熱湯消毒・煮沸消毒を行いましょう。
約60℃のお湯なら30分~1時間ほど、約100℃のお湯なら15分ほどが殺菌の目安になります。
熱に弱い動物性繊維やナイロンなどの素材や縮みやすいニット・ジャージ類には行えませんが、綿や化学繊維であればこれで臭いの発生をかなり抑えられます。
洋服の染料は水温が高いほど溶け出しやすく、色柄物の場合は色落ちする可能性が否定できませんので、その点を理解した上で行ってください。
なお、かなり臭いが強いと感じた時や、臭っているまま2回以上洗濯している物は、酸素系漂白剤を小さじ1杯加えて煮沸するのがオススメです。
ただしこの場合、アルミ製の鍋は漂白成分によって変色してしまうため、ステンレスやホーローの鍋を使うと良いでしょう。