着物のクリーニングのおすすめ店は?料金相場や適切な頻度も紹介!
大切なイベントで着ることの多い着物ですが、クリーニングの頻度やお手入れで悩む方も少なくありません。
どのくらいの頻度でクリーニングするのが適切なのか、また料金はいくらかかるのか、今一押しのクリーニング店と併せてわかりやすく解説します。
意外と知らない!着物のクリーニング方法
1.洗い張り
仕立てられている着物の縫製をほどき、特殊な油で作られた洗剤とたわしを使って、着物全体の汚れを落とす方法です。
一般衣類で言うウェットクリーニングにあたり、汗などの水溶性の汚れをよく落としてくれます。
洗い張りはクリーニングの技術だけでなく、着物の縫製に関する深い知識も求められるため、一般のクリーニング店ではほとんど行われません。
着物の洗い張りを希望する場合は、呉服店など着物のメンテナンスを専門に頼めるお店で依頼することができますが、クリーニング代金は少々高めです。
2.丸洗い
着物の縫製はほどかず、石油系溶剤を使ったドライクリーニングで汚れを落とす方法です。
絹製がほとんどの着物は風合いを損ねないため、水や洗剤を使わない丸洗いをするのが最もベーシックなお手入れになります。
呉服店だけでなく、着物を扱えるクリーニング店でも依頼することができるので、比較的手ごろな価格で利用する事が可能です。
水溶性の汚れがそれほど目立たない場合は、丸洗いをしておけば良いでしょう。
着物はどの時点で洗うべき?クリーニングの理想頻度
着用予定がないなら1度着たらクリーニングへ!
冠婚葬祭や初詣、成人式・卒業式などで、着物の着用が1回限りという場合は、着終わった後すぐにクリーニングへ出すのがベストです。
次に着用する機会が分からない場合は、今後長く保管することが考えられますので、着物に付着したホコリや皮脂、泥などはその都度綺麗に整える必要があります。
目立ったシミや汚れがない場合も、屋外で着用した着物は想像以上に汚れていますので、必ずクリーニングを行いましょう。
何度か使う着物は3~6か月に1回が頻度の目安
お稽古や観劇、お茶会などで比較的コンスタントに着用する着物の場合は、都度クリーニングをする必要はありません。
特にニオイや汚れが気にならなければ、1シーズン(約半年)に1回ほどの頻度で洗うようにしましょう。
逆にクリーニングの頻度が多すぎると、生地を傷めすぎてしまう可能性があるため、早くても2~3ヶ月に1度のペースで十分です。
ただし、目立ったシミや汚れが付着していたり、ニオイが気になる場合は、その都度クリーニングを依頼しましょう。
長襦袢や羽織もクリーニングは必要?
肌に触れる箇所の多い長襦袢や、着物用アウターとして活用する羽織は汚れやすいため、着物と同じタイミングでクリーニングが必要です。
特に長襦袢は、着物に合わせて1着ずつ仕立てているケースも多いので、セットで洗うようにしましょう。
着物に比べると、長襦袢や羽織はクリーニング料金が安く設定されていますので、着物より早めの頻度で洗っても構いません。
ニオイ、汚れ、シミなどをより細かくチェックして、気になる部分があればクリーニングするようにしてください。
着物の洗いは高いって本当!?料金の相場をリサーチ
クリーニング代は種類と洗い方で相場が変わる!
着物の水洗いである洗い張りの場合、金額には縫製をほどき、クリーニング後に縫い合わせる料金も含まれるため、相場は少々高めの値段です。
逆に、ドライクリーニングとなる丸洗いの場合はその手間がないため、洗い張りに比べると5,000円ほど安く洗うことができます。
ただし、丸洗いは水溶性の汚れ落ちが少し弱いため、着物の状態に応じてシミ抜きを依頼する必要な場合があるのです。
シミ抜きは、汚れの種類や大きさ、変色度合い等によって料金が変わるため、一概には言えませんが、2,000~8,000円を相場として考えておきましょう。
着物のクリーニング料金の相場一覧
クリーニングの種類 | 相場価格 |
---|---|
洗い張り (ウェットクリーニング) |
10,000~15,000円/着 |
丸洗い (ドライクリーニング) |
5,000~10,000円/着 |
長襦袢 | 2,000~3,000円/着 |
着物帯 | 3,000~5,000円 |
浴衣 | 2,000~3,000円/着 |
浴衣帯 | 1,000~2,000円 |
手間・価格を考えるなら宅配クリーニングへ
宅配クリーニングは高いというイメージがありますが、実は着物のクリーニングは、呉服店よりも宅配クリーニングの方が安い価格で依頼することができます。
着物を専門的に扱う呉服店の場合、クオリティ重視で非常に丁寧な洗いをしてもらえますが、どうしても値段が高くなってしまうのです。
一方、宅配クリーニング店は着物の洗いやシミ抜き技術はしっかりと学びつつ、コストパフォーマンスも大切にしているため、料金を抑えることが可能です。
もちろん、クリーニングのプロですから着物の仕上がり品質は心配ありませんので、安心して依頼できます。
着物にぜひ利用したいオプション
着物の宅配クリーニングは丸洗いがほとんどなので、ドライクリーニングばかり行っていると、水溶性の汚れが蓄積してしまう恐れがあります。
できれば汗抜きのオプションをつけ、部分的な水溶性の汚れを早めに取り除くようにしましょう。
また、目に見えて分かるシミが付いている場合、そのままにしておくと汚れが取れなくなるだけでなく、色素沈着や黄ばみ、生地の傷みなどに繋がりますので、シミ抜きを依頼しておくと安心です。
また、羽織を出す場合は撥水コートを行っておくと、雨の日に着用する場合でも汚れがつきにくくなり、より長持ちさせることが可能です。
どんな着物もクリーニングできる店舗
キレイナ
ウェディングドレスや舞台衣装などのクリーニング・メンテナンスを手掛けてきたお店で、着物のような和装品の取り扱い実績も豊富です。
着物の素材やデザインを1着ずつしっかり確認し、カルテを作ってクリーニングをしていくため、風合いを保ちつつ、生地の消耗を最低限に抑えます。
しかも、キレイナは水洗いクリーニング専門店で、着物の洗い張りを宅配で行える唯一のお店なので、水溶性の汚れもサッパリと落としてもらうことが可能です。
着物に対する専門的なシミ抜き技術や修理技術もしっかり備えているので、細部まで安心して依頼できるクリーニング店と言えます。
シミ抜きや加工の有無にもよりますが、着物のクリーニングは納期が最短15日と、他のお店よりも早いのも嬉しいところです。
キレイナの着物の取り扱い・料金
サービス | 料金(税込) |
---|---|
留袖・振袖クリーニング | 15,000円 |
単衣着物クリーニング | 9,000円 |
襦袢 | 3,000円 |
帯 | 3,000円 |
浴衣 | 3,000円 |
シミ・黄ばみ除去 | 1,200円~ |
色移り・カビ除去 | 1,800円~ |
撥水加工 | 1,800円~ |
全体消臭 | 3,000円~ |
きものtotonoe
着物を専門に扱うクリーニング店で、年間60,000点以上の依頼を受ける人気のお店です。
高難度のシミ抜き、修正、染め替えなども担うほどの技術力で、大切な着物や高価なブランド着物も安心してお任せできます。
また、生地の良さを引き出すふっくらとした仕上げに加え、着物のシワ・偏りが抑えられる専用の特殊梱包で、手元に届くまで安全なのも嬉しい所です。
着物のドライクリーニングである「丸洗い」のみのサービスにはなりますが、さらに隅々まで職人が検品した上でシミ抜きなどの必要なメンテナンスを提案してもらえる「匠の診断」もオススメです。
丸洗いのみの場合は到着後約2週間で発送ですが、匠の診断が加わると約4週間後発送と時間がかかるため、着用予定の有無を確認してから依頼しましょう。
きものtotonoeの着物の取り扱い・料金
サービス | 料金(税込) |
---|---|
エコノミーコース(丸洗い) | 着物のみ5,480円 着物+長襦袢or帯9,480円 着物+長襦袢or帯2点12,480円 |
スタンダードコース(丸洗い+匠診断) | 着物のみ6,480円 着物+長襦袢or帯11,080円 着物+長襦袢or帯2点14,280円 |
シミ抜き | 要見積り |
リネット
衣類の宅配クリーニング店として人気のリネットですが、実は着物や浴衣の洗いを依頼することもできます。
一般衣類のクリーニングとは違う専門工場で洗うため、納期が最短3週間後と少し時間はかかりますが、着物に精通したプロがお手入れしてくれます。
しかも、着物本体や帯、長襦袢だけでなく、肌襦袢や半襟、足袋、帯揚げ、袴などもまとめてクリーニングしてもらうことができるため、着用後にまとめてお手入れが出来て便利です。
クリーニングの料金が少々高めに設定されているので、公式サイトのシミュレーターを使って総額を把握してから、利用するかを検討した方が良いでしょう。
また、リネットは様々な衣類加工を行っていますが、着物・和装品に関しては全て利用できませんので、間違えない様にしてください。
リネットの着物の取り扱い・料金
サービス | 料金(税込) |
---|---|
振袖・留袖・訪問着・付下げ | 13,400円 |
袷着物 | 9,960円 |
単衣着物 | 8,430円 |
襦袢 | 6,120円 |
帯 | 6,770円 |
浴衣 | 3,100円 |
浴衣帯 | 3,100円 |
※その他、和装小物類や七五三用などもクリーニング可能。
リネットの詳細を見るクリーニング前の着物の正しいお手入れ
着物を脱いだら汚れ・シミの有無を確認
一度着用した着物は、食べこぼしや飲みこぼしのシミ、汗・皮脂汚れ、泥汚れなどがついている可能性があります。
着物を脱いだら必ず全体を見渡して、汚れやシミがついていないか確認し、気になる部分があれば早めにクリーニングに出しましょう。
特に、食事をした場合や雨の中出かけた時、夏場など汗を多くかいた日は、普段以上に着物に汚れがついているものです。
不着した汚れは、時間が経てば経つほど落としにくくなってしまいますので、丁寧に確認することをオススメします。
着物用ハンガーにかけて陰干し必須!
着用した着物は、汗や湿気などの水分を多く含んでいるため、そのまま収納するとカビやニオイの原因になります。
1度着た着物は、衣文掛け(着物専用のハンガー)にかけて半日~1日ほど陰干しを行い、しっかりと湿気を取り除きましょう。
この際、直射日光の当たる場所で干してしまうと、黄ばみや変色の原因になってしまいますので、風通しの良い日陰で行うことを守ってください。
ブラッシングでホコリを取り除く
陰干しをした後は、着物についたホコリや塵を取り除くため、和装用ブラシを使って丁寧にブラッシングします。
正絹の着物は虫食いが起こりやすい素材ですが、さらにホコリは虫のエサになってしまうので、付着したままにしておくと害虫が発生しやすくなってしまうのです。
この際、普通の衣類用のブラシなどを使うと、生地が傷ついたり、刺繍や金糸・銀糸などの装飾がほつれてしまう恐れがありますので、必ず着物用のブラシを使う様にしてください。
着物のクリーニングが終わったら、保管方法に注意!
着物はたとう紙に包んで保管を
クリーニング店から着物が返却されたら、和紙で作られた着物専用の保管紙である「たとう紙」に包みましょう。
このたとう紙は、汚れやホコリの付着を防止するほか、通気性が良いので湿気を溜め込まないようにする役割を持っています。
お店によっては、たとう紙に入れた状態で返却してくれる場合もありますが、入れてもらえない場合にはインターネット通販やデパート、呉服店などで必ず購入してください。
なお、たとう紙にはサイズがあり、cm表記で売られている事が多いため、必ず収納したい着物に合ったものを入手しましょう。
たとう紙のサイズ | 入れられる着物 |
---|---|
87cm | 男性用着物、背の高い女性の着物 |
83cm | 身長165cm以下の女性用着物 |
64cm | 3つ折りの着物、羽織、長襦袢、帯 |
55cm | 短い羽織、袋帯 |
44cm | 4つ折りの着物、名古屋帯 |
防虫剤・除湿剤は和装品用を
衣装ケースやタンスに着物をしまう際、防虫剤や除湿剤を入れると、保管中に良い環境を整えることができます。
ただし、使用できるのは和装用・着物用と書かれた製品だけで、一般衣類用のものを入れてはいけません。
綿や化学繊維などで作られている衣類と、絹で作られている着物とでは、使用できる成分や原料が異なります。
誤って使用してしまうと、金糸や金箔部分が黒く変色してしまったり、生地が傷んでしまう事があるため、必ず和装用であることを確認して使用しましょう。
金属を使っている着物は、ゴムやウレタンと離して収納
着物や帯の装飾には、金糸、銀糸、金箔、金粉などの金属を使用し、華やかさを演出しているものも多くあります。
これらを使っている着物は、合成ゴムやウレタン素材と一緒に収納すると、化学反応によって亜硫酸ガスを発生させてしまいます。
このガスは金属を酸化させて、加工が黒くなってしまいますが、一度変色を起こすと戻すことができません。
コーリンベルトや枕帯用のゴム、ゴム付き前板など、和装小物に使われている物も多いため、収納する際は注意してください。