洗濯したら色移りを発見!家庭でできる正しい落とし方と防止策
「洗濯中に他の衣類の色移りが生じてしまった」という失敗は、誰もが1度が経験したことがあるものです。
綺麗に処理するための正しい落とし方や、色移りの防止策を知って、洗濯のトラブルを減らしましょう。
そもそもなぜ色移りは起こる?4つの原因を解説
①使われていた染料の堅牢度が低い
あまり聞き慣れない「堅牢度(けんろうど)」ですが、これは染色した生地の抵抗性(丈夫さ)を意味するJISの試験のことです。
生地自体の耐久性ではなく、色落ちのしにくさを表しており、堅牢度が低いと染料の定着力が弱いため、洗濯時に色移りが生じる可能性があります。
ご家庭で試験をすることはできませんが、1枚だけ手洗いをした時に水の色が変わるようであれば、堅牢度の低い生地と判別することができます。
また、洗濯表示に「他の物と分けて洗濯してください」と書かれている場合、堅牢度が低い可能性がありますので、洗濯をする際は注意が必要です。
②洗濯時にお湯を使った
衣類などに使われている染料の多くは、使用する水の温度が高ければ高いほど溶け出しやすい性質を持っています。
お風呂の残り湯などのお湯を使って洗濯をすると節水になりますが、代わりに色移りのリスクが高まります。
色移り防止のためにはお湯やぬるま湯の状態で洗わず、しっかり常温に冷ましてから使うことが大切です。
③脱水中に染料が飛び散った
水に濡れている洗濯物は、生地が弱くなっていますので、どの生地でも色落ちが起こりやすくなっています。
脱水の工程では遠心力を使って水気を飛ばしますが、この際のパワーが強いほど染料を含む水が飛び散りやすく、色移りの原因となるのです。
しっかり脱水することも大切ですが、色移りしやすい洗濯物は脱水時間を短く設定するなど、工夫して洗濯を行いましょう。
④濡れた状態で洗濯物を放置した
脱水が完了した後も、濡れている洗濯物は生地が弱った状態になっており、色落ちしやすい状態です。
洗濯後にそのまま放っておくと、接している洗濯物同士で色が移ってしまう可能性があります。
脱水が終わったらすぐに干すように心がけ、濡れた状態の洗濯物が接しないよう注意することが大切です。
色移りを発見した時の対処法
洗濯物が濡れている場合の落とし方
染料は水温の高いお湯で溶け出しやすい性質を持っているため、これを応用して色移りを落とす事が出来ます。
50℃以上のお湯の中に「弱アルカリ性洗剤(通常の倍量)」と「漂白剤(規定量)」を入れ、色移りをしている洋服を漬けましょう。
白い洋服であれば塩素系漂白剤でも使用できますが、色柄物であれば酸素系漂白剤や還元系漂白剤を使った方が安心です。
30分~1時間ほど浸け置きをし、色移り部分の色素が抜けていれば、一旦すすいでから普段通りの洗濯を行います。
もし色移りが残っている場合は使用したお湯を捨ててから、再度50℃以上のお湯で洗浄液を作って洗濯物を浸けましょう。
あまり繰り返しすぎても生地のダメージが増えてしまうので、2~3度繰り返しても色移りが取れなければ、クリーニング店での染み抜きを検討してください。
自宅の洗濯との違い・染み抜き技術については、「クリーニングと洗濯の違いは?クリーニングに出すべき物の見分け方」で解説しています。
洗濯物が乾いている場合の落とし方
洗濯物が乾くとその場で色素が定着するため、濡れている状態よりも色移りが落としにくくなります。
この場合、50℃以上のお湯の中にパワーの強い塩素系漂白剤を規定量入れ、洗浄液を作って30分~1時間ほど浸け置きしてみましょう。
ただし、色物・柄物の洗濯物は全体の染料が抜けてしまうので、全体的に色落ちしてデザインを損なうリスクが高く、この方法はおすすめできません。
知って安心!色移りを防止する洗濯方法
初めて洗濯するもの、色移りした事のある洗濯物は手洗い
購入後初めて洗濯する洋服は、堅牢度の高さが分からないので、他の洗濯物とまとめて洗うと色移りをする可能性があります。
そのため、1番最初は手洗いで洗濯を行い、染料が抜けないか確認しておくと次からの洗濯が安心です。
1度でも色落ちや色移りを起こしたことのある洗濯物は、また繰り返す恐れがありますので、以降の洗濯は手洗いで行いましょう。
洗濯の回数が増えると色落ちしなくなる洋服もありますので、水の色が変化しなくなれば、他の洗濯物とまとめて洗っても構いません。
色柄物は分けて洗濯をする
白い洋服は色移りが生じた場合に目立ちやすいので、色柄物とは分けて洗濯をするのが基本です。
「なんとしてでも色移りを避けたい」という方は、さらに同系色同士だけで洗濯を行えば、より安全に色移りを防止することができます。
そこまで洗濯の手間をかけられないというご家庭なら、特に大切な洋服だけ分けて洗濯するようにしましょう。
色柄物は洗濯ネットに入れて洗う
洗濯工程では洋服や洗濯物同士が擦れる事により、弱まった生地の染料が移ってしまう危険性があります。
色物の洗濯物はあらかじめ洗濯ネットに入れておくと、生地同士の摩擦による色移りを防ぐことが可能です。
また、摩擦を防ぐことで毛玉や毛羽立ちの防止にも役立ちますので、洗濯ネットを使えば一石二鳥です。
中性洗剤を使用する
洗浄力の強い弱アルカリ性洗剤は、汚れ落ちが良い反面、色移りが起こりやすいというデメリットがあります。
そのため、色移りを防ぎたい色柄物の洗濯では、中性洗剤を使って洗うのが安全な方法です。
付着した汚れを放置していなければ、中性洗剤でも十分に落とす事が出来ますので、その日のうちに洗濯するのがおすすめです。
汚れがひどい洗濯物は先に予洗いをしてから、中性洗剤を使って洗濯をすると汚れが綺麗に落ちます。
洗剤ごとの使い分けをあまり知らないという方は、「【初心者必見】洗濯用洗剤の種類・違いを解説!使い方やおすすめ製品も」を併せてお読みください。
常温の水道水を使う
生地に使われている染料は水温が高いと色落ち・色移りを起こしやすいので、お湯を使った洗濯は控えましょう。
汚れが酷いものでなければ常温の水道水を使用し、残り湯洗濯をするご家庭では湯温をしっかりと下げて使います。
皮脂などの油汚れが気になる場合はお湯の方が効果的ですが、他の洋服と分けて手洗いをした方が安心です。
色移り防止シートを入れる
色柄物を洗濯する時に、市販されている色移り防止シートを使えば、より安心して洗濯することが可能です。
色移り防止シートは色素などの分子を吸着し、洗濯水を綺麗な状態に保つことができるため、色移りを防ぎたい色柄物の洗濯に適しています。
洗濯1回あたり約35円ほどかかりますが、色移りをした時の落とす手間や水・洗剤の値段を考えると、決して悪い買い物ではありません。